2010/04/11

自由気ままな人生だから「孤独死」覚悟で楽しく生きるのだ!~「しがみつかない死に方」香山リカ著~



「孤独死」という「死に方」を意識したのは、2年ほど前の飯島愛の死がきっかけだったかもしれません。
亡くなった時、すでに彼女は芸能界を引退していたものの、一週間も遺体が発見されないということが、なんとも悲惨な死に方のように、当時感じてしまったのでした。
ただ、よく考えてみれば・・・将来的に僕が一人暮らしのジジイになることは明らかだし、暮らし馴れた自分の家でひとりで死ねる「孤独死」というのは、ある意味、理想の死に方ではないかと考えるようになっていたのです。
しかし、今年の一月にNHKで放映された「無縁死」についての番組を観て、僕が将来、直面する死に方というのは「孤独死」でなく、より「無縁死」に近い死になることを悟ったのでした。
「無縁死」というのは、身元は分かっているにもかかわらず、遺体の引きとる人(血縁者)がいない(もしくは、いても拒否される)ということですが...ひとりっ子で親戚とも全くコンタクトのない僕は、母という唯一の血縁者が亡くなったら、遺体の引きとりをする人さえいないということなるのは、明らかに予想される状況なのです。
そう考えると、自分が死んだ後というのは、どうなってしまうのだろう・・・と、想像しては、重く肩を落とすしかなかったのでした。

そんなこと考え始めて暗い気持ちになりがちだった僕にとって、タイミング良く出版されたのが、香山リカ著の「しがみつかない死に方~孤独死時代を豊かに生きるヒント~」という本でした。
香山さんは、飯島愛の死や無縁死の番組にインスパイアされてこの本を書いたということなので、僕と同じような事に関心を持っていたということだったようです。
去年ベストセラーになった「しがみつかない生き方」に続く「しがみつかないシリーズ」の第二弾のようなタイトルですが、内容的には実際に現役の中高年が孤独死した時に、どのような状況や問題に遭遇するのか・・・ということを具体例を挙げています。
例えば・・・3日(できれば24時間)以内であると発見者の(遺体の腐敗などによる)精神的なショックが少ない。
フリーで仕事をしているならば、毎日必ず連絡する人が一人でもいると良い。
友人や仕事関係者(血縁者でない)が本人の確認なしに、家に入るのは困難なことが多い。
法的な遺言書がないと、葬儀の方法や遺品など分配などは本人の意思が反映されないと思った方がいい。
検体(医学校の解剖のためなどに)をしない限り、簡素な直葬でも約9万円がかかる。
携帯電話やパソコンのデータは、遺族が必要とする場合(友人や仕事関係者に連絡を取るため)があるが、逆に遺書などがあると傷つく可能性もあるなどなど・・・。
これらは、香山さんが初めて問題提起したわけではありませんが、孤独死について準備するためにも改めて考えてみる必要のある事柄ではあります。

ただ「死に方」というのは、生きている本人が生きている間に決められないことではなく、本人にとっても、周りの人たちにとっても、突発的に起こってしまうことが殆どです。
病気などで寿命というのを意識しながら生きているとしても、自分で死ぬタイミングを決められるわけではありません。
結局のところ、死んでしまったら、遺体がいつ発見されるとか、自分の個人データがどうなるとかいう事を”あの世”から確かめられるというわけではないという事です。
(死後の世界を信じている方は、違う意見ではあるとは思いますが・・・)
「死に方」を考えるということは、所詮、生きている時にしか出来ないことであり、たとえ考え抜いたからといって、自分が死後に起こりうるすべて問題を回避できるわけではないのです。
ある意味、自死(あえて自殺という表現は避けますが)という選択は、死に方を自らコントロール出来る「究極の自由死」ということになるのかもしれません・・・。

家庭を持って子供や孫に恵まれれば孤独死も無縁死もしないわけではありませんが、もしも僕がそういう生き方を選択をしていたとしたら、今のような自由な人生は送ることは出来なかったでしょう。
・・・振り返ってみれば、仕事だってしたいようにしかしてこなかったし、たいした責任も抱えずに生きているし、好きなように日本とアメリカで住まいを行き来したり、今まで本当に(!)気ままな人生を僕は歩んできているなぁ~と心から思えるのです。
その代償(?)として孤独死や無縁死が待っていたとしても、それは仕方ないことだと納得するしかありません。
「死」というのをリアルに考えるほどの年齢でも、ありがたいことに健康状態でもありませんが・・・突然やってくるかもしれない死について考えて不安になるよりも、孤独死を覚悟して自由気ままに生きるんだ!・・・と思っていた方が、残された人生を楽しく過ごせるのではないかと、カヤマーらしく楽天的になってしまう、僕なのでした。



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