2010/10/15

”本業”コラムニストとしての真価を見せるのか・・・ポスト・ナンシー関へ道は険しい~世迷いごと/マツコ・デラックス著~



マツコ・デラックスがバラエティ番組のゲストとして出演し始めたとき、殆どの視聴者が「この人、何者?」と思ったことでしょう。
東京のローカル局であるMXテレビの「5時の夢中!」の月曜日のコメンテーターとしてお馴染みではあったものの・・・何をしている人なのか、そして何故これほど大きな顔しているのか、疑問だったとしても不思議はありません。
テロップには「コラムニスト」と表示されているけれど、正直いって一緒にテレビに出演している芸能人でさえ、コラムニストとしてのマツコ・デラックスの実態は知らず・・・とにかく「巨漢の女装で態度がでかい」ということだけで、圧倒されてしまう存在だったのです。
マツコ・デラックスがゲストとして出演した番組内で、素朴な疑問として「テレビに出る前って、何をしていた人なんですか?」という質問をぶつけられていたこともありますが・・・「勝手にいろいろと言われるけど、別にどうでも良いのよ〜」と、マツコ・デラックスはあえて自らの経歴を語ることをせずに、お茶を濁していました。
まぁ、マツコ・デラックス自身が憂うように、どこの馬の骨だか分からない”怪しい輩”がテレビに出ている時代なのですから・・・。

これまでのテレビ業界の習わし(?)としておネエ系のコメンテーター/タレントは、とりあえず「肩書き」というのがあるものでした・・・華道家、振り付け師、メイクアップアーティスト、映画評論家、フットネスインストラクターなどなど。
社会的に認められた「本業」での活躍があっての「おネエキャラ」・・・というお約束の上にタレント業がなりたっていたのですが、マツコ・デラックス場合にはテレビタレントとして、全国区のテレビ登場時から、いきなりの文化人的な大物扱いというのが、ある意味「画期的」な戦略と言えるかもしれません。(くり〜むしちゅ〜も所属する事務所の手腕?)

マツコ・デラックスの経歴などについては、以前この「めのおかしブログ」でも書いたので、そちらを参照して下さい

さて、全国区的なブレイク前に出版された「アタシがマツコ・デラックス」(2002年)と「週刊女装リターンズ」(2006年)は、すでに絶版なっていますが・・・先日(10月13日)に、待望(?)のマツコ・デラックス著の「世迷いごと」が出版されました。
ここ数ヶ月の躍進ぶりを考慮すると、本屋に並ぶタイミングとしては、ちょっと遅いかも・・・という感じでありますが。
内容的には、マツコ・デラックスが気になる女性について、語りおこしされていた「EX大衆」に連載されていた”マツコ・デラックスの百面相スケッチ)をまとめたものです。
以前、出版された「週刊女装リターンズ」と、ほぼ同じような内容で、語りおこしている有名人も、かなりかぶっています。

マツコ・デラックスって「ポスト・ナンシー関」のようなポジションを期待されているのでしょうか?
「世迷いごと」の連載時のタイトルであった「マツコ・デラックスの百面相スケッチ」は、ナンシー関っぽさを意識しているようにしか思えません。
奇しくも・・・ナンシー関マツコ・デラックスは、体格的に似ているところもありますし、二人とも芸能人をネタに辛口のコラムを書くことを「本業」としています・・・。
ただ、ナンシー関自己のエゴを超越した分析力膨大なテレビ視聴の情報力には、マツコ・デラックスが敵うわけありません

良くも悪くも、マツコ・デラックスの「好き」「嫌い」というのは一貫性があるのですが(女子アナ嫌いは有名)・・・その視点は凡庸です。
それは、「恵まれない女」にありがちな、悟りきったような上から目線の「妬み」「嫉妬」が混じった皮肉でしかありません・・・そして、それは世の多くの女性が、すでに感じていることだったりします。
美醜で、多くを判断されてしまう今という時代は、殆どの女性は「恵まれない女」になってしまうものなのです。
ネガティブな感情が垣間みれる毒舌は、一時的なストレス発散にはなっても、新しい見解を提示するような批評にはなりません。
ナンシー関とマツコ・デラックスの決定的な違いがそこにあります。
マツコ・デラックスが、世間を声を代弁していると受け止めるか、コラムニストとしては平凡と感じるかは、読み手次第であしょう・・・。

マツコ・デラックスをテレビで観ることが、今のように当たり前になってしまうと・・・「コラムニスト」なんて「肩書き」もへったくれもなく、単に巨漢女装キャラとして世間に定着してしまった感があります。
すでに、ある番組では、縄でトラックを引っ張ったりするような「バラエティ」のお仕事もこなすようになってしまったマツコ・デラックス・・・お笑い番組で白い粉に落とされる日もそう遠くないのかもしれません。
だって・・・誰もがあのデカイ体が白い粉まみれになるのを、視聴者をはじめ、テレビ関係者も手ぐすねを引いて期待しているに違いないのですから。



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